BIMモデリングを外注するときの頼み方と流れ

BIMのソフトは買ったものの、毎日の仕事に追われて、まだ手を付けられていない。そこへ取引先から、次はBIMで出してほしいと言われた。最近、峰設計にもこうしたご相談が増えています。
BIMモデルの作成は、委託先に頼むことができます。
委託先に頼む前に確かめること、依頼の流れ、最初の相談で伝えること、買ったソフトの生かし方を順に紹介します。
目次
頼む前に、施主・発注者に3つ確かめる
BIMで提出と言っても、求められるものは相手によって違います。委託先に相談する前に、施主や発注者に次の3つを確かめておきましょう。
何を出すか:施主や発注者へ、何を提出する必要があるのかです。次の3つのどれか、または組み合わせになります。
BIMソフトで作ったデータそのもの(ソフトごとに形式が違う)
IFC(ソフトが違っても開ける、BIMデータの共通の形式)
BIMから書き出した図面のPDF
何に使うか:基本設計の段階で検討用のモデルが要るのか。確認申請に使いたいのか。施主との打ち合わせで、建物の形を見える化したいのか。使い道によって、モデルをどこまで作り込むかが変わります。
いつまでか:施主や依頼元へ提出する日と、成果物が必要になるタイミングです。
施主や発注者が、求める内容を資料にまとめていることもあります。国土交通省(以下、国交省)が設置した建築BIM推進会議が、BIMガイドライン第3版をまとめました。その中では、こうした発注者の条件をEIR(発注者情報要件)と呼んでいます。BIMの使い道や、データの細かさなどを示すものです。資料があれば、委託先にそのまま渡すのが近道です。
BIMで作った図面で確認申請をする場合は、2026年4月に始まったBIM図面審査の方法を使えます。申請図書のPDFに、設計者チェックリストとIFCを添えて出します。IFCは審査の参考という扱いです。
何を出すか、何に使うか、いつまでか。この3つが分かれば、委託先に相談できます。

依頼から納品までの5ステップ
峰設計がBIMモデルの制作をお受けするときは、次の5つのステップで進めています。各ステップで、依頼する側と峰設計がそれぞれ何をするかを並べました。
案件概要の共有:依頼する側が、建物の概要・提出物・期限を峰設計に伝え、手元の資料を送ります。
対応可否・概算の確認:依頼する側が、対応できるかどうかと費用の目安を峰設計に聞きます。
制作範囲の確定:依頼する側と峰設計で、次のことを相談して決めます。ここで決めた内容が、見積もりのもとになります。
どこまでモデルを作るか(範囲)
モデルをどこまで細かく作るか(詳細度)
どの図面まで作るか
データをどう受け取るか
修正や変更に、どこまで対応してもらえるか
BIMモデル制作・図面化:峰設計がモデルと図面を作ります。依頼する側は、指示どおりにできているかを確認します。図面を頼んだ場合は、自社の図面の表現に近い形になっているかを確かめることが大切です。
納品・修正対応:峰設計がデータを納めます。依頼する側は、指定したデータ形式で届いているかを確認します。

頼み方は通常型と伴走型の2通り
峰設計では、通常型と伴走型の2つの頼み方を用意しています。大きな違いは、設計変更が出たときの扱いです。
通常型:ご依頼いただいた内容や指示に沿って、峰設計がモデルや図面を制作します。施主のご要望などで設計が変わった場合の修正は、その都度お見積もりします。
伴走型:貴社の設計プロジェクト(基本設計・実施設計など)に合わせて、峰設計が専属チームを編成します。BIMモデルから図面まで制作し、設計変更によるモデル・図面の修正もお受けします。成果物の納品が完了するまで伴走します。
作るものがはっきり決まっている案件は通常型、設計がまだ動きそうな案件は伴走型が向いています。

最初の相談は、5つのポイントを整理して送る
制作の相談をするときに、最初から細かい内容を社内で詰めておく必要はありません。次の5つのポイントを整理し、今お持ちの資料と一緒に委託先へ送りましょう。
建物の概要:用途、規模、構造(例:事務所、延べ300㎡、木造2階建て)
提出先と提出物:誰に何を出し、何に使うか(例:確認申請に使いたい/基本設計で必要な図面一式)
手元の資料:今お持ちの図面一式(平面図、立面図、断面図など)。ファイルはPDFやDXFなど、ほかの形式でもかまいません
期限:いつまでに成果物が必要か(例:施主への提出が11月末)
お手持ちのBIMソフト:すでにお持ちなら、どのソフトを使っているか
範囲や詳細度、修正への対応などは、STEP 3で相談して決めれば間に合います。資料が全部そろっていなくてもかまいません。峰設計では、資料の整理から相談を受け付けており、機密保持の契約にも応じています。
まずは次の案件で、この5つを書き出してみましょう。

買ったBIMソフトを無駄にしない頼み方
買ったソフトは、外注している間も生かせます。峰設計がおすすめしているのは、次の3つの段階です。
途中のモデルを見せてもらう:伴走型なら、制作途中のモデルを確認できます。委託先がどう組み立てているかが見え、自社で覚える手がかりになります。
受け取ったデータを、自分で直してみる:お手持ちのソフトで開ける形で受け取れるか、委託先に相談してみましょう。小さな変更から自分で直せて、次の案件の見本にもなります。
次の似た案件で、一部を自分で作ってみる:1部屋や1か所からで十分です。
委託先に相談するときは、5つ目のポイントで、お手持ちのソフトを伝えておきましょう。

BIMでの提出は、確かめて、整理して、頼む
BIMでの提出を求められたら、まず施主や発注者に、何を出すか・何に使うか・いつまでかを確かめます。次に、5つのポイントを整理して、手元の資料と一緒に委託先へ送ります。範囲や詳細度は、そのあと委託先と相談して決めれば間に合います。

【出典】
・建築BIM推進会議「建築分野におけるBIMの標準ワークフローとその活用方策に関するガイドライン(第3版)」
・国土交通省住宅局建築指導課「2026年春、建築確認におけるBIM図面審査を開始!」
・国土交通省住宅局建築指導課長「BIM図面審査の取扱いについて(技術的助言)」(令和8年4月1日)
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