top of page

BIMの内製化は何から始める? 先進事例の進め方から見えた4つのステップ

  • 11 分前
  • 読了時間: 6分
設計事務所で2人が1台のモニターに映るBIMモデルを見ながら話しているイメージ

BIMのモデル作成を、外部にお願いしている。図面もパースも問題なく上がってくるがそろそろ自社でも作れるようになりたい——。設計事務所や工務店の方から、こうしたご相談をよくいただきます。


ところが、いざ始めようとすると「何から手をつければいいのか」で止まります。ソフトが先か、担当者を決めるのが先か、テンプレートを作るのが先か。


国土交通省は、中小規模の事業者に向けたBIM導入のガイドと、先進的にBIMを活用している6社への聞き取り調査の結果を公開しています。この2つを基に、内製化の進め方を4つのステップに整理しました。


▼BIMブートキャンプの詳細はこちら



目次



内製化は「全て自社でやる」必要はありません

国土交通省が中小事業者向けにまとめたガイド(令和5年3月)は、BIMの活用目的を決める段階について、こう書いています。


「まず、社内でBIM活用によって何を実現していくか、どんな活用シーンを想定し、どんな体制(自社のみ、外注体制、協業・ネットワーク、外部専門家との協業等)で臨んでいくか、といったことを決めましょう。」

── 国土交通省「中小事業者によるBIM導入・活用に向けたステップ(これであなたもBIMユーザー!)」令和5年3月


注目したいのは、体制の選択肢に「外注体制」が最初から並んでいることです。内製化は外注をゼロにすることではなく、どこまでを自社でやるかを、自分たちで決められる状態になることだと読めます。実際、国が「先進的なBIM活用を進める中小事業者」として紹介する6社を並べると、自社でやる範囲はきれいに分かれました。


	国が先進事例として紹介する中小事業者6社が、BIMのどこまでを自社でやっているかの一覧。3社はほぼ全部内製、3社は一部を外注


3社は「ほぼ全部を内製」、3社は「一部を外へ」。しかも会社の規模が大きいほど内製、という関係にはなっていません


内製化の第一歩は、モデルを作り始めることではありません。


「何を自社でやり、何を外に任せるか」を決めること。

ここが決まらないまま担当者やソフトをそろえても、目的のないまま、モデル制作が始まります。



内製化を進める4つのステップ

やる範囲が決まったら、次は順番です。国のガイドと6社の実際の進み方を重ねると、次の4ステップに整理できます。


	BIM内製化の4つのステップ。目的をひとつ決める、小さい1棟を通しでやる、使いながらルールを作る、2人目・3人目に広げる

ステップ1:目的をひとつ決める

「お客様への3Dプレゼンに使う」「数量を拾う」「図面の整合を取る」——ひとつに絞るほど、覚える範囲も教える順番も決まります。導入初期から活用イメージを描いておかないと時間的かつ金銭的コストの浪費となり、BIM活用のモチベーションを下げることにもなりかねません。


ステップ2:建物1棟を、通しでやる

練習用のモデルではなく、実際の案件で。規模は小さくてよいので、企画から図面まで一度通しきります。ここで会社ごとの差が大きく出ます。


BIMソフト導入から最初の実案件までの期間。

導入の翌月に第1号案件を動かした会社もあれば、2年7か月かかった会社もあります。


ステップ3:使いながら、ルールを作る

テンプレート(BIMモデルから図面を書き出すための設定ファイル)は、先に完璧を目指さないほうがうまくいきます。ガイドでは「最初から環境整備の時間をかけ過ぎると、BIMの利用が億劫になるおそれがあります」とし、まずはソフトに付属のテンプレートで始めることを勧めています。

ただし、ずっと作らないままだと別の問題が起きます。各担当者が独自につくっていることから、社内で共有するマニュアルとしてはつくりにくいという課題を挙げられます。

完璧に作ってから始めるのも、ずっと作らないのも、どちらも内製化が止まる原因になります。1棟目を通したあと、その案件で使った設定を残す——これが現実的な順番です。


ステップ4 2人目・3人目に広げる

1人が作れるようになった時点では、まだ内製化とは言えません。ガイドもこの段階の課題として「各案件・担当者レベルではオブジェクトなどが積上がりつつあるものの、社内での共有化に課題があるようです」と書いています。



つまずきやすいのは、特にこの2つ

① 大きい案件から始めてしまう

最初の1棟に大きな物件を選ぶと、締切に追われて検証する余裕がなくなります。6社が共通して言っているのは「全部をBIMでやろうとしない」ことでした。


  • 「フルBIMはハードルが高いことから、簡単なことから始めると使いやすい


  • 「1/50未満の図面は2DCADで作成する。無理にBIMでやりきろうとせずに、2DCADを併用させることも効果的


② 忙しくなって、2Dに戻ってしまう


2Dで慣れている人がBIMを使おうとすると、よほどの信念がない限り仕事に追われて2Dに戻ってしまう。」

── 同参考資料より


だからこそ、ステップ2は「小さい1棟」なのです。締切に追われない規模で1回通しきる。ここを越えると、次の案件からBIMを活用できる第一歩になります。



内製化は「作れる人」ではなく「教えられる人」

最後に、内製化のゴールをどこに置くかです。全員がモデルを作れるようになる必要は、ありません。


内製化が進んだ会社の社内の役割。作れる人は少人数、使える人は多く、教えられる人が1人いれば広がる

先進事例では、社内の役割が3つに分かれていました。

  • 作れる人——少人数でかまいません。

  • 使える人——モデルを見て判断できればよい人。

  • 教えられる人——社内に広がります。

作れる人が1人だけの状態は、内製化ではなく属人化です。その1人が抜ければ、また元に戻ります。2人目に教えられて、はじめて社内の力になります。

そして、ここまでの4ステップのどこにも「外注をやめる」という工程はありません。内製化とは、任せる先を減らすことではなく、任せ方を自分で選べるようになることだと言えます。



BIMの内製化を検討されている方へ

峰設計では、4週間で1棟を自分の手で完成させる短期集中型の研修、BIMブートキャンプを毎月開講しています。動画で学びながら週1回の講評質疑会で課題を見せながら、直接相談できます。

修了時には一般社団法人 日本BIM協会からの修了証が発行されます。

同じ会社から複数名でのご受講もできますので、今回のステップ4の「2人目・3人目」を後からではなく同じタイミングで進められるので、社内での内製化が早くなります。

▼BIMブートキャンプの詳細はこちら


【関連記事】


出典



無料のメールマガジンをご登録していただくと、最新の記事をお届けします。

コメント


bottom of page